決算短信サマリー情報から売上・利益の情報を取り出す

サマリー情報の経営成績

TDnetに開示される決算短信のサマリー情報(以下「サマリー情報」)には、損益計算書の主要科目を記載する欄があります。サマリー情報は、企業が採用する会計基準によってそれぞれ書式化されており、経営成績を表す金額として以下の項目を記載することになっています。

1.日本基準 2.米国基準 3.国際会計基準(IFRS)
売上高 売上高 売上高
営業利益 営業利益 営業利益
経常利益 税引前当期純利益 税引前利益
当期純利益 当社株主に帰属する当期純利益 当期利益
(欄外に包括利益を記載) (欄外に包括利益を記載) 親会社の所有者に帰属する当期利益
 - 当期包括利益合計額

上記の項目は、損益計算書(または包括利益計算書)にも記載されていますが、サマリー情報のほうが定型化・標準化されているため、取得が簡単です。
これはXBRLからデータを取得する場合にも当てはまります。
サマリー情報のXBRLのほうが、決算書のXBRLよりずっと簡単で定型化されていて扱いやすいのです。
企業によって項目名が異なる
提出企業は、様式に従ってサマリー情報を作成しますが、様式に記載されている勘定科目が自社の勘定科目に存在しない場合は、これに相当する勘定科目を記載することになっています。
例えば、銀行ではこの例のように「売上高」の代わりに「経常収益」と記述します。金融機関でない一般企業でもこの例のように「売上高」の代わりに「営業収益」が使われている場合もあります。
この場合、サマリー情報のXBRLでも異なる要素が使われています。「売上高」は「NetSales」ですが、上の例のような「営業収益」は「OperatingRevenues」です。
以下の表は、様式上の項目に対する要素の“揺れ”をまとめたものです。

■会計基準 ■様式上の項目 ■基本タクソノミの要素(冗長ラベル)
日本基準 売上高 NetSales(売上高)
OperatingRevenues(営業収益)
OperatingRevenuesSE(営業収益、証券)
OrdinaryRevenuesBK(経常収益、銀行)
OrdinaryRevenuesIN(経常収益、保険)
NetSalesOfCompletedConstructionContracts(完成工事高)
OperatingRevenuesSpecific(営業収入)
NetPremiumsWrittenIN(正味収入保険料、保険)
NetOperatingRevenuesSE(純営業収益、証券)
NetSalesAndOperatingRevenues(売上高及び営業収入)
GrossOperatingRevenues(営業総収入)
営業利益 OperatingIncome(営業利益)
経常利益 OrdinaryIncome(経常利益)
当期純利益 NetIncome(当期純利益)
米国基準 売上高 NetSalesUS(売上高、米国基準)
OperatingRevenuesUS(営業収益、米国基準)
OperatingRevenuesSpecificUS(営業収入、米国基準)
TotalRevenuesUS(収益合計、米国基準)
GrossRevenuesUS(総収益、米国基準)
TotalRevenuesAfterDeductingFinancialExpenseUS(収益合計(金融費用控除後)、米国基準)
NetSalesAndOperatingRevenuesUS(売上高及び営業収入、米国基準)
RevenuesUS(収益、米国基準)
営業利益 OperatingIncomeUS(営業利益、米国基準)
税引前当期純利益 IncomeBeforeIncomeTaxesUS(税引前当期純利益、米国基準)
当社株主に帰属する当期純利益 NetIncomeUS(当社株主に帰属する当期純利益、米国基準)
国際会計基準
(IFRS)
売上高 NetSalesIFRS(売上高、IFRS)
SalesIFRS(売上収益、IFRS)
RevenueIFRS(収益、IFRS)
営業利益 OperatingIncomeIFRS(営業利益、IFRS)
税引前利益 ProfitBeforeTaxIFRS(税引前利益、IFRS)
当期利益 ProfitIFRS(当期利益、IFRS)
親会社の所有者に帰属する当期利益 ProfitAttributableToOwnersOfParentIFRS(親会社の所有者に帰属する当期利益、IFRS)
当期包括利益合計額 TotalComprehensiveIncomeIFRS(当期包括利益合計額、IFRS)

会計基準が異なれば意味が違う

例えば、日本基準の「営業利益」と米国基準の「営業利益」と国際会計基準(IFRS)の「営業利益」は、全て「営業利益」ですが、意味が違います(米国基準と国際会計基準の「営業利益」は、日本基準では「営業利益」よりも「経常利益」に近い)。
「ほったいもいじくな!」と言えば、日本語では「掘った芋、弄くるな!」になりますが、英語圏では「What time is it now?」になるようなものです(違
分析データとして用いるときは、異なる会計基準を混同しないように集計する(集計ルールを決める)ことが肝要です。

ポイント

  • TDnetに開示される決算短信のサマリー情報に損益計算書の主要項目の開示がある
  • サマリー情報は書式が定型化されていて分析しやすい
  • 企業によって項目名が異なる場合があり、その場合はXBRL要素名も異なる
  • 同じ項目名でも会計基準によって異なることに注意が必要

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