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[チュートリアル]業績修正一覧表を作る

概要

上場企業は、業績見込みを修正した場合に適時開示情報で業績予想の修正を発表します。
業績予想の修正では、売上高・営業利益・経常利益・純利益について、前回予想/今回修正予想/増減率等を開示することになっています。
業績予想の修正は、2008年7月以降XBRLで開示されているため、EXCELアドインツール(バージョン1.04)を使用して、最近適時開示情報で開示された業績予想の修正の開示項目の一覧表を作成します。
この表を使うと、例えば、増収増益を発表した企業などを簡単に見つけることができます。
※完成したファイルはこちら→[ダウンロード]

準備

EXCELにツール(バージョン[ver2.0.0] )がインストールされているものとします。

手順

  1. インスタンスビューアで、業績予想データを検索する
  2. データ詳細ボタンを押し、ワークシート上に展開する
  3. 上部に5行分作業用に行を追加する
  4. 開始・終了日、連結・非連結の設定欄を作成する
  5. 取得する要素名を書いていく
  6. 取得関数を書いていく
  7. 書式を設定する

1.インスタンスビューアで業績予想データを検索する
ツールバーの「インスタンスビューア」ボタンを押して、インスタンスビューアを起動します。
ツールバーの「インスタンスビューア」ボタンを押して、インスタンスビューアを起動します。
ツールバーの「インスタンスビューア」ボタンを押して、インスタンスビューアを起動します。
「業績予想」と入力して、検索ボタンを押します。
「業績予想」と入力して、検索ボタンを押します。

2.データ詳細ボタンを押し、ワークシート上に展開する
データ詳細ボタンを押すと、ワークシートにリストボックスの情報が展開されます。
データ詳細ボタンを押すと、ワークシートにリストボックスの情報が展開されます。
データ詳細ボタンを押すと、ワークシートにリストボックスの情報が展開されます。

3.上部に5行分作業用に行を追加する
作業用のセルを5行分確保しておきます。
作業用のセルを5行分確保しておきます。

4.開始・終了日、連結・非連結の設定欄を作成する
作業用のセルに、開始日、終了日、連結・非連結区分を入力する欄を作成します。この欄は、後に記述するワークシート関数の引数になります。
ここでは、2012年3月期の業績予想のデータを連結優先で取得するため、以下のように設定します。作業用のセルに、開始日、終了日、連結・非連結区分を入力する欄を作成します。この欄は、後に記述するワークシート関数の引数になります。 ここでは、2012年3月期の業績予想のデータを連結優先で取得するため、以下のように設定します。
5.取得する要素名を書いていく
6行目のG列~V列に取得したい情報(日本語名)を以下のように記述していきます。

セルG6 決算期
セルH6 業績予想に関する注記
セルI6 業績予想の状況に関する注記
セルJ6 業績予想修正の理由
セルK6 (新)売上予想
セルL6 (前)売上予想
セルM6 変化率
セルN6 (新)営業利益
セルO6 (前)営業利益
セルP6 変化率
セルQ6 (新)経常利益
セルR6 (前)経常利益
セルS6 変化率
セルT6 (新)純利益
セルU6 (前)純利益
セルV6 変化率

2~5行目のG列~V列に取得したい情報に対応する要素名を以下のように記述していきます。

【セル】 【要素名】 【備考】
G5 FiscalYearEnd 決算期
H5 NoticeOfForecastCorrection 業績予想に関する注記
I5 NoteToFinancialForecast 業績予想の状況に関する注記
J5 ReasonForForecastCorrection 業績予想修正の理由
K2 ForecastOperatingRevenues (新)売上予想
K3 ForecastOperatingRevenuesSE (新)売上予想
K4 ForecastNetSales (新)売上予想
K5 ForecastNetSalesUS (新)売上予想
L2 ForecastPreviousOperatingRevenues (前)売上予想
L3 ForecastPreviousOperatingRevenuesSE (前)売上予想
L4 ForecastPreviousNetSales (前)売上予想
L5 ForecastPreviousNetSalesUS (前)売上予想
M2 ChangeOperatingRevenues 変化率
M3 ChangeOperatingRevenuesSE 変化率
M4 ChangeNetSales 変化率
M5 ChangeNetSalesUS 変化率
N4 ForecastOperatingIncome (新)営業利益
N5 ForecastOperatingIncomeUS (新)営業利益
O4 ForecastPreviousOperatingIncome (前)営業利益
O5 ForecastPreviousOperatingIncomeUS (前)営業利益
P4 ChangeOperatingIncome 変化率
P5 ChangeOperatingIncomeUS 変化率
Q4 ForecastOrdinaryIncome (新)経常利益
Q5 ForecastOrdinaryIncomeUS (新)経常利益
R4 ForecastPreviousOrdinaryIncome (前)経常利益
R5 ForecastPreviousOrdinaryIncomeUS (前)経常利益
S4 ChangeOrdinaryIncome 変化率
S5 ChangeOrdinaryIncomeUS 変化率
T4 ForecastNetIncome (新)純利益
T5 ForecastNetIncomeUS (新)純利益
U4 ForecastPreviousNetIncome (前)純利益
U5 ForecastPreviousNetIncomeUS (前)純利益
V4 ChangeNetIncome 変化率
V5 ChangeNetIncomeUS 変化率

6.取得関数を書いていく
G~J列の値は、インスタンス内に1つだけ現れる要素ですので、UCXFirstFact関数を使って取得します。
セルG7に「=UCXFirstFact($F7,G$2:G$5)」と記述します。
G~J列の値は、インスタンス内に1つだけ現れる要素ですので、UCXFirstFact関数を使って取得します。 セルG7に「=UCXFirstFact($F7,G$2:G$5)」と記述します。
セルG7をコピーし、H7~J7に貼り付けます。
次に、K~V列の値は、コンテキストごとに複数出現する要素なのですので、UCXFact関数を使って取得します。引数の開始日・終了日・連結区分には、セルA1~A3の値を使います。
セルK7に「=UCXFact($F7,K$2:K$5,$A$2,$A$1,$A$3)」と入力します。
セルG7をコピーし、H7~J7に貼り付けます。 次に、K~V列の値は、コンテキストごとに複数出現する要素なのですので、UCXFact関数を使って取得します。引数の開始日・終了日・連結区分には、セルA1~A3の値を使います。 セルK7に「=UCXFact($F7,K$2:K$5,$A$2,$A$1,$A$3)」と入力します。
セルK7をコピーし、L7~V7に貼り付けます。
最後に、セルG7~V7をコピーし、G8~データの最終行まで貼り付けます。
7.書式を設定する
金額列(K,L,N,O,Q,R,T,U)は、「桁区切りスタイル」に、変化率の列(M,P,S,V)は、「パーセントスタイル」に設定し、最後に塩コショウで味を整えれば完成です。

※完成したファイルはこちら→[ダウンロード]

報告期間

JIS X 7206

時点又は期間。
事業報告では,財務数値及びその他の事実を,ある時点又は一定の報告期間の“その時現在の状況 (as of)”に関して報告する。通常事実は,時点及び期間に関するものとする。

リンクベース/拡張リンク

JIS X 7206

リンクベース

[XLINK] の拡張リンクの集合体。リンクベースは,タクソノミ中の概念の意味を記述する。

拡張リンク

[XLINK] で定義された構文を用いて拡張リンクとして認識される要素。拡張リンクは,拡張リンクが含む情報と第三の文書が含む情報との一連の関係を表す。

拡張リンクの分類

拡張リンクは以下の5種類に分類される。

  1. 定義リンク
  2. 計算リンク
  3. 表示リンク
  4. ラベルリンク
  5. 参照リンク

上記5種類の拡張リンク、概念同士の関係(概念間関連)を表現するもの(1、2、3)と、概念の意味に関する文書に概念を関連付けたりすることによって、概念についての追加的な情報を提供するもの(4、5)に分類される。前者の3種類のリンクベースはまとめて「関係リンク」と呼ぶ。

種類のリンクベースはまとめて「関係リンク」と呼ぶ。

定義リンク 概念同士の関係を表現(関係リンク)
計算リンク
表示リンク
ラベルリンク 追加的な情報を関連付ける
参照リンク

DTS、発見可能なタクソノミ集合

JIS X 7206

タクソノミ スキーマ及びリンクベースの集合体。
DTS の範囲は,DTS に含まれるタクソノミ スキーマ並びにリンクベースのリンク又は参照をたどることで発見できるすべてのタクソノミ スキーマ及びリンクベースを含む。最低限,DTS 内のタクソノミ スキーマの一つは,xbrl-instance-2003-12-31.xsd をインポートしなくてはならない。

留意点

XBRLインスタンスは、DTS 発見のための起点となりうるが、XBRLインスタンス自身は、DTS の一部ではない。
DTS 発見のための起点として用いるタクソノミ スキーマ及びリンクベースは、それが発見するDTS の一部となります。

第5四半期報告書

現在、上場企業は四半期決算が義務付けられていて3ヶ月ごとに決算発表があります。
では四半期報告書は、第なん四半期報告書まであると思いますか?
答えは、第5四半期報告書。

なぞの第5四半期

普通に考えると、第1~第3四半期報告書+有価証券報告書(年次)。
だから第3四半期報告書までだと考えてしまいます。
でも新会社法では決算期の変更の場合だけ、最長で18ヶ月決算というのが認められていて、
この場合、第1~第5四半期報告書+有報(年次)となるというわけです。
法律上可能でも実際はないんでしょ、と思ったかたは「アクロディア 3823」でググってみてください。
泣く子も黙る証券取引等監視委員会の勧告に「平成21年6月第5四半期四半期報告書」
と書いてあるのが見つかると思います。

EDINETコードと証券コードの対応関係

EDINETでは企業(個人)はEDINETコードで識別されています。
しかしEDINETコードはいまいちマイナーな存在で、上場企業に関しては証券コードで
識別するのが一般的です。

実際、TDnetでは証券コードで識別されるため、TDnetで開示された決算短信と
EDINETで開示される有報を関連付けるためには、EDINETコードと証券コード
の対応付けが必要です。

対応関係の調べ方

以前はEDINETコードと証券コードを結びつけるためには名寄せが必要だったのですが、
現在では開示されているXBRLデータから簡単に取得できるようになりました。

具体的には、TDnetで開示されている決算短信の財務諸表データのインスタンスファイル
から『EDINETCode』という要素を引っ張ってくるだけです。

TeCAProを使うと決算短信の財務諸表データを集めることも自動でできますし、
「EDINETCode」の値を抜き出すのも簡単ですので、ぜひやってみてください。

上場企業の会計基準

日本の上場企業は日本の会計基準(J-GAAP)で決算書を作成するのが原則ですが、
米国の会計基準(US-GAAP, SEC基準ともいいます)で決算書を作成することが
認められています。

加えて、平成22年3月期決算からは国際会計基準(IFRS)の適用も選択できる
ようになりました。

米国会計基準適用企業

以下の企業では米国会計基準の決算を発表しています。(平成23年1月現在)
※三菱UFJ・みずほ などは、日本基準で決算発表をおこないながら、米国基準の決算書も作成し公表しています。

  • 日本ハム(2282)
  • ワコールホールディングス(3591)
  • インターネットイニシアティブ(3774)
  • ジュピターテレコム(4817)
  • メディシノバ・インク(4875)
  • 富士フイルムホールディングス(4901)
  • 小松製作所(コマツ)(6301)
  • クボタ(6326)
  • 日立製作所(6501)
  • 東芝(6502)
  • 三菱電機(6503)
  • マキタ(6586)
  • 日本電産(6594)
  • オムロン(6645)
  • NECエレクトロニクス(6723)
  • 松下電器産業(6752)
  • ソニー(6758)
  • TDK(6762)
  • 三洋電機(6764)
  • アドバンテスト(6857)
  • 京セラ(6971)
  • 村田製作所(6981)
  • トヨタ自動車(7203)
  • 本田技研工業(ホンダ)(7267)
  • キヤノン(7751)
  • リコー(7752)
  • 伊藤忠商事(8001)
  • 丸紅(8002)
  • 三井物産(8031)
  • 住友商事(8053)
  • 三菱商事(8058)
  • 三菱UFJ(8306)
  • みずほ(8411)
  • オリックス(8591)
  • 野村ホールディングス(8604)
  • MS&AD(8725)
  • 日本電信電話(9432)
  • NTTドコモ(9437)
  • コナミ(9766)

国際会計基準適用企業

平成23年1月時点でIFRSを適用しているのは日本電波工業(6779)ただ1社です。
平成23年3月期決算から住友商事(8053)、平成24年3月期決算の第1四半期(平成23年6月)
からは日本板硝子(5202)もIFRSの適用を発表しています。
東証で上場企業のIFRS適用状況をまとめて発表しています。
非公式の国際会計基準適用企業
ディーバ(3836)およびHOYA(7741)が国際会計基準に基づく財務諸表を公表しています。
ディーバの場合は、『「自らIFRS適用の作業を実際に経験し、業務課題の把握とその解決を実践することで
提供する製品・ソリューションの品質向上に務めることが不可欠」として、自主的なIFRS適用に踏み切った。』
(IFRSフォーラム)とのこと。私見ですが、監査証明もないことから、自社製品の広告かと。
HOYAは、トーマツの監査証明付きで初年度適用もしていることからより重みがありますが、
現時点でのスタンスはIFRSの任意適用ではなく準備段階のようです。

XBRLとは

 XBRLをひと言で説明すると、データを電子的に記述するルール(データフォーマット)の一つです。

 主に各種財務報告用の情報をデータとして記述する際に適用され、その分野ではデファクトスタンダードになっています。日本においても、税務申告(eTax)、有価証券報告書(EDINET)、決算短信(TDnet)においてXBRLが採用されています。特にEDINETでは、所管の金融庁企業開示課というところが大いに力を入れていて、2013年~2014年に適用範囲が一気に拡大、現在ではEDINETを通じて提出・開示されるほとんどの文書がXBRLで作成されています。

 各種財務報告用の情報をデータとしてXBRLで記述することで、情報の2次利用が容易になります。従来の報告書(PDF形式やHTML形式)では、人間が目で見てデータを取り出す作業が必要でした。XBRLでは、データをダイレクトにコンピュータで処理できるため、より安価に、より早く、より正確に財務情報を流通・利用できるようになります。

 XBRLで作成されるデータの特長は、説明書付のデータである、ということです。

 CSVやJSONといったほかの一般的なデータフォーマットでは、データは単にデータです。データの項目定義は「データ定義書」のような書類が別途提供されるのが普通です。例えば、同じ種類のCSVデータなのにカラム数が違う、とか、カラムの順番が違う、ということはありません。

 XBRLでは、データの項目定義やその他の付加情報が記述された説明書がデータについてきます。説明”書”といっても、CSVやJSONの「データ定義書」とは異なり、コンピュータが解釈可能なものです。この説明書がついてくることにより、個々のデータに項目を追加されていたり、項目の順番が違っていても、コンピュータは説明書を解釈してデータを正しく処理することができるのです。

(2015/6/18 改訂)

タクソノミスキーマ

JIS X 7206

XML スキーマ。タクソノミ スキーマの大部分がタクソノミ中の概念構文の定義に当てられることが多い。

役割

事業報告の概念に対する具体的な名称とデータ型を定義します。
型とは、概念の定義に応じて測定する事実に許可するデータ型の種類を定義したものです。例えば、“現金及び預金”という概念は、(通常は)金額型と定義します。タクソノミスキーマで金額型と定義されると、インスタンスにおいて現金及び預金を報告する場合、その(事実の)値は、金額型として解釈します。

次世代EDINET

以下の文章は2012年1月20日に書いています。すぐに内容が古くなってしまうかもしれませんので、最初に執筆日を明記します。
2011年後半あたりから、ちらほらと金融庁から次世代EDINETの構想が語られています。
出てきている主な情報は以下のとおりです。

  • 2013年を目標に次世代EDINETを稼動させる
  • XBRLの範囲が大幅に拡大
    ①有報などすでに一部XBRL化している書類については、全文がXBRL化
    ②大量保有報告書などこれまでXBRL対象外の文書もほぼ全部XBRL化される
  • 文章部分は包括タグでまるっと囲み、必要な部分を詳細タグ(現在のタグのイメージ)で定義する
  • XBRLディメンジョン・インラインXBRLの採用

すでに2011年末から開発業者の選定(入札)など始まっており、おそらく2012年中には新しいタクソノミの試作が出てくるでしょう。
XBRLに関しては、完全に日本が世界をリードしています。