総資産当期純利益率(ROA)

最後に総資産当期純利益率(ROA)を計算します。

引き続き、サンプルデータには、商船三井の2018年3月期の有価証券報告書のXBRLデータを使います。
(EDINETからダウンロード)

ここでは、ROAの計算式は、以下のとおりとします。

ROA = 純利益 ÷ 総資産 × 100

必要な数値は、「純利益」と「総資産」です。

勘定科目リスト」によると「純利益」は『ProfitLoss』、「総資産」は『Assets』です。

注意すべきはコンテキストです。ProfitLossは期間コンテキスト、Assetsは時点コンテキストですので、以下のように入力すればよさそうです。
総資産当期純利益率(ROA)1

計算結果は以下のようになります。
総資産当期純利益率(ROA)2
うん、ばっちり。

もう少し厳密に

ところで、ROAのように、財務指標の計算で期間コンテキストの値と時点コンテキストの値を両方用いるときは、時点コンテキストの値は、期間の開始時点と終了時点の平均をとる場合があります。

ROAでいうと、計算式が以下のようになります。

ROA = 純利益 ÷ ((総資産(期首時) + 総資産(期末時)) ÷ 2) × 100

ROAの理論としては、こちらのほうがより厳密(理論に近い)と言えます。
この計算式で計算してみましょう。
総資産当期純利益率(ROA)3

さて、期首のコンテキストはどうすればよいでしょう。コンテキストの命名規約を見ても、時点コンテキストは各期間コンテキストの終了時点しか存在しません。

結論から言うと、期首時点コンテキストは、その前の期間の期末時点コンテキストになります。
例えば、『今期の期首のコンテキスト = 前期末のコンテキスト』なのです。

この点、XBRLの仕様上は以下のように記述されています。

instant 要素の内容に時刻指定がない日付を指定したときには,
同日のT00:00:00 のP1D後,すなわち,一日後をdateTime として指定したものとする。
これは,日が終了する午後12 時を表す。

ちょっとわかりにくいのですが、「instant要素の内容に時刻指定がない日付を指定したとき」というのが、時点コンテキストになります。時点コンテキストの時間指定がない場合(普通はない)は、その日の終了する午後12時、つまりその日から次の日に変わる瞬間、を表す、ということなのです。

具体的な例で見てみましょう。

ある期間コンテキストのinstant要素が「2011-03-31」であった場合、それは、2011年3月31日から2011年4月1日に変わる瞬間を意味します。それは、2011年3月31日で終わる期間の期末時点であり、かつ、2011年4月1日から始まる期間の期首時点でもあるわけです。

では、CurrentYearDuration(今年度・連結・期間)の期首時点のコンテキストはなんでしょうか?それは、前年度・連結・時点コンテキスト、すなわち「Prior1YearInstant」です。

さらに、Prior1YearDuration(前年度・連結・期間)の期首時点のコンテキストは、前々年度・連結・時点コンテキスト、すなわち「Prior2YearInstant」となるわけです。

総資産当期純利益率(ROA)4
今期のROAは計算できましたが、前期のROAがエラーになっています。このXBRLインスタンスには、Prior2YearInstantのAssetsのファクトが存在しないようです。

現在では、EDINETの有価証券報告書のXBRLには、財務諸表の本表部分の数値が記述されているだけです。Assetsは貸借対照表上の数値ですが、貸借対照表は今期と前期の数値しかありません。ですので、前々期のAssetsは存在しないのです。

前期(2017年3月期)のROAを計算するためには、2017年3月期の有価証券報告書のXBRLを使って同じ計算をすればよいのです。

商船三井の2017年3月期のXBRLインスタンスは、有報キャッチャーAPIを通じて直接参照することができます。

URL

http://resource.ufocatch.com/xbrl/edinet/ED2017062700733/PublicDoc/jpcrp030000-asr-001_E04236-000_2017-03-31_01_2017-06-27.xbrl

セルC1にこのURLを入力するだけで再計算されます。興味がある方は、ぜひご自分で試してみてください。


前のページ:売上高経常利益率
次のページ:いろいろやってみよう